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安全な無痛分娩施設を選ぶポイント

2025.12.23

【自然分娩と無痛分娩の違い】

自然分娩での陣痛の痛みはお産をすすめるパワーでもあります。

したがって麻酔で陣痛の痛みをとると、分娩時間が長くなりやすく、吸引分娩の頻度が高まります。

無痛分娩には麻酔にともなう深刻な合併症を起こしえるデメリットがあるので、慎重な管理体制が欠かせません。

 

【安全な無痛分娩施設を選ぶポイント】

無痛分娩の件数が十分多く、麻酔担当医と産科医と助産師のチームが無痛分娩への対応に慣れている施設をおすすめします。

麻酔担当医が麻酔科医であれば理想的ですが、少なくとも産科医と助産師スタッフが十分な研修を受けていることが欠かせません。

 

【和痛分娩と無痛分娩の違い】

無痛分娩は主に硬膜外麻酔により陣痛の痛みを持続的に和らげる方法ですが、必ずしも陣痛の痛みが完全になくなるわけではありません。

一方で和痛分娩とは、陣痛の痛みを(一時的に)和らげる薬剤を持続点滴あるいは筋肉注射する方法をさすことが多いです。

 

【和痛分娩で用いる鎮痛方法】

フェンタニルの持続点滴

ぺチロルファンの筋肉注射、3-4時間おきに1日2回まで

 

【無痛分娩で用いる鎮痛方法】

硬膜外麻酔は背中に細いカテーテルをいれ、局所麻酔薬を続けて投与します。

一般的には帝王切開などの腹部手術でも脊椎麻酔や全身麻酔に加えて硬膜外麻酔を併用します。

 

【無痛分娩の副作用と合併症】

分娩遷延、母体の血圧低下、胎児徐脈、発熱、かゆみ

 

【無痛分娩の深刻な合併症】

局所麻酔薬中毒:麻酔薬の投与量が多いことでしびれや耳鳴り

全脊髄くも膜下麻酔:硬膜外カテーテルが目標より深い場所に入ると呼吸停止や意識障害

硬膜外血腫:カテーテルを抜いた後に内出血することによるまひ症状

 

 

【オンデマンド無痛分娩と計画無痛分娩】

オンデマンド無痛分娩とは自然陣痛による無痛分娩です。

計画無痛分娩とは自然陣痛を待たずに陣痛促進剤を用いる無痛分娩です。

自然な陣痛を待つ方がお産の方がスムーズに分娩がすすみやすいです。

一方で予期せぬタイミングでの陣痛開始に不安が強い場合には計画分娩が好まれます。

計画無痛分娩は安全な管理体制が整う平日の日中のみに限定されることが多いです。

 

【無痛分娩のクリニックや病院による違い】

  • 24時間365日対応、麻酔科医が麻酔を担当、オンデマンド無痛分娩

千船病院

  • 24時間365日対応、麻酔科医もしくは麻酔科医が技術認定した産科医が麻酔を担当

西川医院、ENAレディースクリニック、飯島病院

  • 平日の日中のみ対応、計画無痛分娩

済生会中津病院(麻酔科医)、大阪暁明館病院(麻酔科医)、脇本産婦人科・麻酔科

  • 平日の日中のみ対応、自然無痛分娩

淀川キリスト教病院(麻酔科医)

  • 経産婦のみ(初産婦は対象外)平日の日中のみ対応、計画無痛分娩

北野病院(麻酔科医)