
HPVワクチンのメリットとデメリット
HPVワクチンについて
HPVワクチンは抗体をつくることでHPVの感染から防御し、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果があります。一方で幼少期に定期接種する他のワクチンと比べるとHPVワクチンは副反応の頻度が7-8倍高いです。日常生活をおくることが困難なほどひどい副反応が2000人に1人に見受けられます。
HPVワクチンを接種することで必ず子宮頸がんを予防できるわけではなく、20歳以降はやはり子宮頸がん検診が欠かせません。
HPVワクチンの効果と副反応の可能性をよく知っていたうえで接種するかどうか判断していただきたいです。
【HPVと子宮頸がん】
HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸がんの原因とされています。
HPVは性交渉により女性が生涯に一度は感染することのあるありふれたウイルスです。
HPVに感染しても2年以内に9割が自然にいなくなるので、一度感染すると必ずがんの原因となるものではありません。HPVに感染して子宮頸がんになる確率は0.15%ほどです。
感染が持続すると子宮頚部異形成(CIN)になることがありますが、若い人では数年内に8割ほどが自然治癒することが多いです。
【子宮頸がんの現状】
子宮頸がんは1年間に約1万人の女性がかかり、約3000人が亡くなります。1万人あたり125人が子宮頸がんにかかり、1万人あたり34人が亡くなり、亡くなる方の8割が50歳以上です。
子宮頸がんと診断される年齢は30歳前後と若い世代でも見つかることがありますが、40歳代が最も多く、40-70歳が主となります。
子宮頸がんは早期で発見して手術治療をうければ治すことのできる病気です。
【異形成と前がん病変】
子宮頚部異形成(CIN)は3段階のレベルがあり、軽度(CIN1)は自然に治癒することが多く、中等度(CIN2)から高度(CIN3)に変化する場合も数年単位の時間がかかります。
高度異形成あるいは上皮内がん(どちらもCIN3)は前がん病変とされ、治療として子宮頚部円錐切除がすすめられ、これは手術を受けた後で妊娠出産できます。
【HPVワクチンは前がん病変を予防する】
HPVワクチンは前がん病変(CIN)を予防する効果があります。スコットランドの報告では軽度異形成が63%、中等度異形成が67%、高度異形成が100%予防されました。
2020年スウェーデンの大規模調査でHPVワクチンの子宮頸がんの発生率が88%低下したと報告されましたが、日本ではまだ子宮頸がんの予防効果が統計的に示されていません。
サーバリクス(2価ワクチン)、ガーダシル(4価ワクチン)、シルガード9(9価ワクチン)の3種類があります。
HPVには200種類以上のタイプがあり、そのうちの15種類が子宮頸がんの原因となります。
2価ワクチン HPV16,18(子宮頸がんの原因となるHPVの70%を予防)
4価ワクチン(上記に加えて、尖圭コンジローマの原因となるHPV6,11)
9価ワクチン HPV16、18、31,33、45、52、58(原因となるHPVの85%を予防)
HPVワクチンは初めての性交渉前に接種することで効果が高くなり、3回接種することで効果が高まり、その効果が12年ほど持続する可能性があります。シルガード9は15歳までに初回接種すれば2回投与で完了します。
【HPVワクチンの副反応】
50%以上の副反応は、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどです。
1100人に1人に副反応があり、1900人に1人は入院が必要な重篤な副反応が報告されています。この副反応の頻度は他の定期接種(12種類)の平均値の8.3倍と高めです。
サーバリクスまたはガードシルは1万人あたり約9人(そのうち重篤な症状は約5人)
シルガード9は1万人あたり約3人(そのうち重篤な症状は約2人)
HPVワクチンの主成分のL1タンパクはヒトのタンパクと類似したアミノ酸配列であるため、接種後に自己免疫現象を引き起こす可能性があります。
感染したウイルスの増殖をおさえる従来のワクチンと異なり、HPVワクチンはウイルスの感染を防御するために従来のワクチンよりも高い抗体価を維持する目的があり、強力なアルミニウム・アジュバントAS04を用いています。
【副反応のうち、痛みやしびれ、動かしにくさ、不随意運動について】
HPVワクチン接種の後に、広い範囲に広がる痛み、手足の動かしにくさ、からだの一部が勝手に動いてしまう不随意運動などのさまざまな症状が起きたという報告があります。
- 知覚に関する症状(頭や腰、関節の痛み、感覚が鈍い、光に対する過敏など)
- 運動に関する症状(脱力、歩行困難、不随意運動など)
- 自律神経に関する症状(倦怠感、めまい、睡眠障害、月経異常など)
- 認知機能に関する症状(記憶障害、学習意欲の低下、計算障害、集中力の低下など)
これらの複合的な症状の治療法がなく、何年も症状が持続している方がおられます。
一方、2018年の名古屋市大規模調査、2016年の祖父江班調査現状ではこれらの複合的な症状とHPVワクチンとの因果関係がないと結論づけていますが、その解析方法に不適切なポイントが指摘されており、これらの症状が心因性や詐病であるとはいえません。
【予防接種健康被害制度の対象】
予防接種で重い健康被害を生じると、法律に基づいて医療費や障害年金などの救済が受けられます。
2024年9月末時点までに約400万人がHPVワクチンを接種して約2000人に重篤な副反応をみとめました。
定期接種により審査された73人中、45人が救済対象となりました。
定期接種以外では審査された540人中、321人が救済対象となりました。
重篤な副反応があっても、救済対象とみとめられないケースが薬害訴訟にいたっています。
【HPVワクチン薬害訴訟】
中学・高校でワクチン接種し、複合的な副反応のために学校に行けず、車いすになったり寝たきりになったり、ずっと日常生活が普通に遅れなくなった方々がいます。2016年より原告120人が今も訴訟を続けています。
【海外の副反応報道】
2009年にイギリスでワクチンを接種した少女が死亡し、副反応への不安が広がりましたが、この少女は心臓と肺の珍しいがんがあったことがわかりました。
2015年デンマークやアイルランドではワクチンの副反応への懸念がテレビ報道され、接種率が80%からデンマークでは20%に、アイルランドでは50%に低下しました。
【HPVワクチン接種率の各国比較】
カナダ 86%
オーストラリア 80%
イギリス 67%
日本 15%
アメリカ 63%
ドイツ 53%
フランス 41%
イタリア 38%
(2024年1月現在)
【HPVワクチンの積極的勧奨停止と再開】
日本では12-16歳の女性(小6から高1まで)を対象に2010年HPVワクチンの公費助成開始、2013年4月定期接種が開始するも、副反応の報道を受けて同年6月に積極的勧奨が停止。
2022年4月からHPVワクチンの積極的勧奨を国が再開し、2026年3月まで無料のキャッチアップ接種が受けられます。一方で2022年4月以降に545人が副反応のために医療機関を受診しました。
【HPVワクチンのデメリットが心配】
レディーバードクリニックでは、HPVワクチンを取り扱っていません。
HPVワクチンで2000人に1人の確率で重篤な副作用が報告されており、因果関係が立証されないとされるも10年以上日常生活が送れない薬害訴訟中の接種者がいる現実を考えると未来ある中高生にHPVワクチンをお勧めするメリットを感じません。
【子宮頸がん検診の必要性】
25歳から34歳の子宮頸がん罹患率は2015年以降減少傾向にあり、HPVワクチン接種の減少にも関わらず子宮頸がん検診の役割が大きいと考えられます。
HPVワクチンは子宮頸がんを100%防ぐワクチンではありません。
HPV感染は数年かけて自然に治りやすく、子宮頸がんに進展する場合でも数年かかります。前がん状態で早期発見できればがんになる前に治療することができるので、HPVワクチンを接種していても、していなくとも、20歳をこえれば1-2年おきに子宮頚がん検診を受けておくと安心です。
